現実逃避5.0

覆水盆に返らず

大アマビエのイラストと「ゴジラ」1954


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港に現る

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アマビエ。巨大で人畜無害の存在。港に現る。いつもどおりの港町。

ゴジラ」(54)

 巨大といって思い出すのはゴジラです。シンゴジラではありません。なんといっても「ゴジラ」(54)です。日本の怪獣映画の元祖、1954年公開の最初の「ゴジラ」("の"が多い)をはじめて見たときの衝撃は忘れられません。高校生時分に見た「starwars episode0」の80倍くらいの驚きがありました。

ゴジラ」(54)は、準主役の科学者、芹沢博士こそポップな眼帯姿であるものの、全体にダークな雰囲気が流れている映画です。都心部ゴジラに襲われて、銀座のビルが崩れ落ち、負傷者が病院に担ぎ込まれる。という一連のシーンは、さながら戦争の記録映画です。太平洋戦争終結から9年目の、空襲の記憶さめやらぬ時代の巨大怪獣は、誰がどう見ても戦争と核兵器の比喩でした。芹沢博士の眼帯も実は出征の傷跡なのです。

 このイラスト記事と「ゴジラ」(54)の関係性はここからです(ここまでは無関係だったのです)。劇中、ゴジラが現れて都心は大混乱に陥ります。火の海になった東京を見下ろす、恐怖の化身であるゴジラは、その場面でスクリーンに全身を映していません。足元から肩くらいまでしか画角に収めず、肩から上を映さないという方法で、ゴジラの巨大さを表現しているのです。私が「ゴジラ」で一番好きなシーンです。こんな「大きさ」の表現、リアルタイムで見ていた90年代の平成ゴジラシリーズや、その他の知る限りの作品でも、おそらく一度も使われていなかったと思います。レイ=ハリーハウゼンなどが先にやっていたりするのでしょうか?

私はこの方法を真似て、これまで何度か巨大な物を描いてみましたが、不発でした。

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 つまりはこういうことです。

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なんだこれは

白黒映画

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1000文字まではあと200文字。

ゴジラ」の1954年は黒澤明の「七人の侍」が公開された年でもあります。両方の作品に出演しているのが大俳優志村喬です。「七人の侍」で重厚なリーダー勘兵衛を演じた志村喬は、「ゴジラ」では古生物学者「山根博士」です。山根博士はゴジラと最初に遭遇する主要人物の一人であり、冒頭の国会答弁から、オーラスの台詞まで常に存在感を発揮するキャラクターです。もちろん終止重厚であり、作品はゴジラ志村喬の趣さえ漂うと言っても過言ではないでしょう。

ゴジラ

ゴジラ

  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: Prime Video
 

 

お題「ゆっくり見たい映画」