現実逃避5.0

覆水盆に返らず

イラスト 水土野の細川ガラシャ

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先日の岩場スケッチの道すがら、audibleで三浦綾子さんの『細川ガラシャ夫人』を聴いていました。プロの朗読で本を聴く、という触れ込みのaudibleですが、本作は数人の声優さんたちに配役がされており、さながらラジオドラマのような風情で、なかなか引き込まれます。10時間以上かかって、ガラシャが洗礼を受ける場面まで来ました。audibleは、変動製造原価がほとんど掛からないデジタルデータのためか、かなりの頻度で値引きセールがあります。これもその時に買いました。

本作は、声優さんの演技力も手伝って、聴いていて涙ぐんでしまうようなエモーショナルな場面が沢山あります。まさしく大河ドラマです。が『塩狩峠』と同じように、三浦綾子さんの小説は、キリスト教徒の視点が強くて、私にはちょっとついて行けないところがあります。今のところ、やはり司馬遼太郎『胡桃に酒』のほうがずっと好きです。イラストは父・明智光秀の謀反のあと、水土野(みとの)という土地で隠遁生活を送ることを余儀なくされたガラシャが、手裏剣を投げている場面です。ありませんけどね。

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