先日、表題の映画を見ました。
以下の記事はネタバレを含みます。
「ドライビングMissデイジー」(1989年 アメリカ制作)は、
1950年頃のアメリカ南部を舞台に、老齢の男女の、心の交流を描いた映画です。
冒頭、教師を引退した裕福なユダヤ人女性 デイジー(ジェシカ・タンディ)は、愛車のキャデラックをアクセルの踏み間違いから大破させてしまいます。
事故の後、息子の気遣いで、彼女の専属として雇われたのが、白髪頭の黒人運転手 ホーク(モーガン・フリーマン)でした。
誰もが認める頑固者のデイジーは、当然に息子のこの気遣いにも立腹します。
はじめはホークの運転する車に乗ることも拒絶していた彼女ですが、やがてホークの正直な人柄にふれ、少しずつ彼を側に置くようになります。
プライドが高く、皮肉屋のデイジーが、はじめてその親愛の情を、素直な言葉でホークに打ち明けたのは、二人の出会いから15年以上の後。彼女が認知症を発した朝のことでした。
途中から私は、昨年亡くなった、北海道の祖父のことを思い出していました。
99歳まで生きた祖父は、はじめて見たときから白髪頭の老人でした。
晩年の祖父が認知症だったと、はっきりとは聞いていませんが、数年前散歩中に転倒し、自力で歩けなくなった頃から、記憶が混乱することが次第に多くなっていたようです。今 会っても、私を孫だと解らないかもしれないと、聞かされて会いに行ったのが、生前の祖父との最期の対面になりました。
実際は、そのときも、それまで通りに祖父は、会うなり、昔からの名で私を呼びました。しかし私は安堵感より、祖父との間に、もう越えられない隔たりがあるように感じました。
祖父は戦前に職人となり、人生の多くの時間を商人として過ごした人です。
あのとき最後に私を呼んだ祖父は、私の祖父だったのか?初見の客を迎える商人の顔ではなかったか。と今でも思うことがあります。
訃報を聞いて駆けつけたときの、死に装束の祖父の顔は、むくんで、少し若く見えました。
幼い私を連れて、石狩川の堤防を歩いた頃の、元気で面白かった、「北海道のおじいちゃん」の顔でした。
人は、自分が作った虚像の他者、虚像の世界を見ているのでしょう。
(石狩川)
(鳩)(無関係)
missデイジーの世界がゆらぎかけた朝に、
彼女がホークに話した本音
「 あなたは1番の友達 」
―ヴァンダミングMissデイジー
これ(↑)が今日私が1番やりたかったことです。
ヴァンダミング・アクション という言葉があります。
俳優 ジャン=クロード・ヴァン・ダムが主演を努めるアクション映画を指すこの言葉は、2000年頃テレビ東京によって提唱された概念です。
この概念によって全ての映画はヴァンダミング・アクションと、非ヴァンダミング・アクションに分類されます。
ヴァンダミング・アクション | 非ヴァンダミング・アクション |
ダブル・インパクト(91) ユニバーサル・ソルジャー(92) ボディ・ターゲット(93) ハード・ターゲット(93) タイムコップ(94) ストリートファイター(94) サドン・デス(95) マキシマム・リスク(96) ダブルチーム(97) |
左記以外 |
黒澤明監督の「椿三十郎」や、以前記事にした「ニュー・シネマ・パラダイス」などは、非ヴァンダミング・アクションの代表格です。
今回の、「ヴァンダミングMissデイジー」は、
誰もがやがて直面する人生の課題を、
ユーモラスなタッチで描いた異色のヴァンダミング・アクションです。
※おまけ
今回、絵(JCVD)の資料を探していて見つけた、amazonオリジナル作品
「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン」
期待していなかったのですが、凄く面白かった。
シーズン全話一気に観て休日の予定が飛びました
↓予告編(Amazonオリジナルビデオ作品)